板橋区 (高島平) TAKASHIMADAIRA - ITABASHI CITY

高島平団地とけやき並木の画像

1.PJの概要と目的

板橋区高島平を対象に、デジタル技術と地域の持つ魅力を掛け合わせ、地域の賑わいと便利で豊かな暮らしの実現及び、防災への備えの強化に取り組みます。デジタル技術を活用し、効果的に地域の賑わい創出や移動の利便性を向上させるため、魅力の発信や共有、電動マイクロモビリティの提供などに取り組み、高島平の暮らしをより豊かで便利にします。また、水害に関する意識の向上や訓練の質の向上などのソフト対策を、デジタル技術を活用して強化していきます。これらの取り組みを通じて今まで以上に皆様が安心して豊かに生活できるスマートな高島平を実現してまいります。

Wi-Fiセンサーによる人流計測

高島平エリア各所に設置されているセンサーの位置と人流を表した地図。イベント開催地に徒歩や電動キックボードを使って集まる様子が矢印で示されています。

・本プロジェクトで実施する様々な取り組みの効果計測に向け、高島平エリアにおける日常の生活行動範囲を把握するセンサーを設置しています。
・センサーによる人流計測を行い、地域ごとの買い物などで人が集まる地域やその行動範囲などを把握し、取り組みを実施することによる変化を計測します。

デジタルツインを活用したまちづくり

スマートフォンで高島平駅を写している画像 高島平エリアをデジタルツインを用いて再現した図解 高島平エリアをデジタルツインを用いて再現した図解

高島平エリアにて、駅周辺の交流核・生活核の機能向上及びブランドイメージ改善の課題に対応するため、デジタルツインを用いて地域内回遊・賑わい創出と魅力発信を行いウォーカブルなまちづくりを行います。

電動マイクロモビリティ等による交通利便性向上サービス

写真:1人乗り用4輪モビリティ 写真:電動キックボード 写真:電動アシスト自転車
※未来のユニバーサル車両のイメージ

高島平エリアにて、地域内には大規模小売店や商店街の立地が少ない住居系エリアに対しエリア内外への回遊性・交通利便性を高めるため電動マイクロモビリティ等の導入を行います。

デジタルツインを活用した
水害可視化ツール

3Dイメージ:災害時の避難ルートを3D都市モデルを用いて表した地図 3Dイメージ:3D都市モデルを活用した災害時の浸水シミュレーション

高島平を含む浸水想定区域にて、大規模水害発生時の適切な避難誘導の課題に対応するため、デジタルツインを用いて水害の発生と避難経路のシミュレーションを行います。

2.これまでの取組

令和5年度は本プロジェクトの2年目として、デジタルを用いたイベントを行い人流の計測によって事業評価を行いました。

センサーによる人流計測

高島平地域内のWi-FiセンサーとAIカメラの場所を示した地図 2022年度Wi-Fiセンサー設置位置(西高島平駅・西高島平地区(簡易郵便局)新高島平駅・熱帯環境植物館・高島平北商店街・高島平駅西口・買物広場・赤塚公園)2023年度Wi-Fiセンサー設置位置(徳丸ヶ原公園・高島平とうきゅう・西台駅東口・区立美術館・大東文化大・東武練馬駅北口) 高島平人流ダッシュボードのグラフ画像 日別推計人数と平均推計人数(時間帯別)グラフのサンプル画像

高島平地域内にて、Wi-Fiセンサー(15か所)を用いて人流を計測し、地域の方々の日常生活(買い物範囲等)行動範囲とデジタルイベント等の効果を分析しました。

商店街や地域の大学生と実施したデジタルツインを活用したイベント

地域回遊をさせるデジタルコンテンツにより、商店街への誘導や地域の魅力を伝えるデジタルイベントを行いました。
協力店舗と共に、コンテンツ配置やイベント限定メニューの開発を行い、それらをガイドマップ、HP、SNS等で紹介し、商店街への誘客を行いました。
地域内にある大東文化大学の学生に、地元住民へのヒアリング等社会調査を行っていただき、魅力的な、地域のスポット選定やエピソード作成等協力して企画を実施しました。
また、大学生が主体となり、高齢者向けの体験ツアーの企画・実施を行いました。

水害可視化ツールを利用した住民とのコミュニケーション

写真:地域イベントで災害時の浸水シミュレーションの映像を投影するイベントスペース 写真:子育て世帯向けの防災教室で説明を聞く住民たちの写真。一室に10組ほどの親子連れが集まり、スクリーンに投影された資料を見ながら防災対策を学ぶ。

高島平エリアにて開催された地域イベント等で、水害シミュレーション可視化ツールを用いて、水害リスクや避難経路等について住民とコミュニケーションを行いました。

3.事業成果

PJの地域課題と取組概要

国土地理院撮影の空中写真(2025年2月最新写真)を加工して作成した画像 荒川 水害リスク 高島平駅北側(商店街、公園など)、高島平団地(賑わい不足)、高島平団地(団地の老朽化、入居者の高齢化)都営三田線

高島平地域では、団地の老朽化・入居者の高齢化が進んでいます。さらに、賑わい不足や荒川の水害リスクといった地域課題も同時に存在します。そこで課題解決に向けて、Wi-Fiセンサーを活用した地域の人流の定量的な評価や地域商店街と連携したデジタルイベント、防災シミュレーションの実証等を行いました。

PJによる成果

3.1 Wi-Fiセンサー等による人流分析

Wi-Fiセンサー等による人流分析の図表 買物広場を拠点として、赤塚公園8%、西高島平9%、新高島平16%、高島平駅47%、北口商店街6%、熱帯環境植物館14%

Wi-Fiセンサーを活用した分析やアンケート調査を通じて、地域課題を抽出・整理しました。駅の南北間での移動が少ないことを定量的に評価しました。

3.2 商店会と連携したXRイベントの実施

少女と絵本とキオクの町 2023年10月27日(金)ー2024年2月18日(日)参加費無料 みて・きいて・はっけん!板橋区スマートシティプロジェクト 夕焼け空と熱帯環境博物館と少女のイラスト 平均日数検知数(件/日) 平日イベント前18.5 イベント期間中 24.0 休日 イベント前 19.6 イベント期間中 22.4 高島平エリアの商店街と連携したAR謎解きイベントのイラスト

地域の回遊性向上のためにXRイベントを地域の商店会・植物館と連携して実施しました。Wi-Fiセンサーのデータからイベントによって来街者や植物館等から商店街といった人の流れを創出できることが明らかになりました。

3.3 防災シミュレーションの実装

防災シミュレーションのサンプル画像 ユーザー位置の洪水リスク、避難所までの時間と距離、避難ルート、ユーザー位置を3D地図上に示している 地域イベントに出展している様子、数人の市民がブースの中を見学している

3D都市モデルを用いた防災シミュレーションを構築しました。地域のイベントにおいて、水害による被害を3次元で可視化して示すことで、災害リスク及び避難経路の認知率向上に寄与しました。

4.今後の展開

アンカー施設(博物館)へデジタル展示の設置 赤塚エリア郷土資料館 館内の展示の様子 甲冑や建造物の画像 高島平エリア 熱帯環境博物館 館内の展示を見ていたり植物のシャイ真を撮る市民の様子
  • 植物館から商店街へ誘導が可能であることから、今後は、植物館をアンカー施設とした施策を展開していきます。具体的には、植物館のデジタル展示を商店街まで拡張するとともに、他地域の博物館でも同様の取組を行い、さらに各地域を連携させた広域的な人流誘導を目指します。
  • また、水害可視化シミュレーションにより防災意識が向上したことから、他の災害の可視化や3Dモデルを用いたバーチャル避難訓練の実施を計画しています。これらの取り組みにより、地域の活性化と防災力の強化を同時に進めていきます。
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